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なぜIEはHumanitiesを大切にしているのか | IE University Japanese Alumni Club Tokyo Chapter
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なぜIEはHumanitiesを大切にしているのか

Jun 19 2019

なぜIEはHumanitiesを大切にしているのか

 

IEには4つのコアバリュー(大切にしている価値)があります。Humanitiesは他のコアバリューと比較した時、重要性と意味が分かりづらいのではないでしょうか。受験生からよく質問を頂くため、IE日本オフィス代表の飯野がマドリード訪問時に学部プログラムのイノベーションを統括しながら哲学を教えている、Julián Montaño教授にお話を伺ってきました。

 

Julián Montaño
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    世界を広く深く理解して欲しい

    飯野: IEのコアバリューの1つにHumanitiesがありますが、なぜIEはこのデジタル時代にHumanitiesを大切にしているのか、また、ビジネス教育の中でHumanitiesをどう評価しているのか、HumanitiesとIEの関係について教えて頂けますか。

     

    モンターニョ教授: もちろんです。IEは、Humanitiesを他の3つのコアバリューと共に評価し、大切にしています。Humanitiesとは周りを深く理解することです。私たちは、皆さんに現実を取り巻く世界を深く理解し、新しい考え方や価値観を構築したり理解したりできるようになって欲しいのです。

     

    たとえば、私が日本社会の中核をなす概念である「恥意識」を知らなかったとしたら、日本文化の大部分を理解することができません。そして、この概念を知らなければ、理解できないまま私の視野から外れてしまうことがたくさんあるでしょう。それが、私たちの物の見方です。

     

    IEはHumanitiesをコアバリューに据えることで、皆さんに世界を広く理解してもらい、新しい概念や現実を表現する方法を理解し、提案できるようになって欲しいのです。Humanitiesを学んで現実を深く理解すれば、現実をより多くの側面から捉えられ、将来の可能性をより多く思い描くことができるようになるからです。

     

     

    管理職ではなくリーダーを育てたい

    飯野: AIをはじめとする技術は世の中にたくさんありますが、それらはツールに過ぎません。Humanitiesがより重要になってきますね。

     

    モンターニョ教授: 能力やツールは廃れてしまいがちですが、内面は生涯ずっと持ち続けることができるのです。

     

    IEはただツールを使いこなすだけ、専門知識があるだけの管理職を育てたいわけではないのです。もちろん、皆さんは最新の専門的なツールをたくさん学ぶことになりますが、私たちはあなたがただスキルを持った専門家になることを望んでいません。私たちは、チームワークや、コミュニケーション、交渉などのトレーニングを通じて、ただの管理職ではなくリーダーを育成したいのです。

     

     

    自ら動ける人を育てたい

    飯野: 他のコアバリューともつながってきますね。

     

    モンターニョ教授: Humanitiesを学ぶことで概念と豊かさ、寛容さを発達させることができ、リーダーの視点に立つことができるようになります。Diversityとのつながりは明らかですね。Humanitiesの授業で人々がこれまでに考え、行ってきたさまざまな方法を研究すれば、IEや社会の中で他者との違いや視点の多様性について、より熱心かつ賢明に学べるようになるでしょう。

     

    Entrepreneurshipとのつながりも明確です。物の見方が豊かになれば、新しいものを思い描くことができます。Humanitiesを学ばなければ別の可能性や代替する状況はないと考えがちになりますが、私は歴史上の別の状況を学んできた上、技術や新しい考え方を知っているので、別の可能性や状況を想像することができます。

     

    Technology & Innovationが含蓄する現実を理解し、受け入れることができるのも、異なる概念や異なる表現方法についてHumanitiesを通して学んできたからです。ですから、Humanitiesは実用的なビジネスの中でも非常に深い意味を持つコアバリューなのです。

     

     

    Humanitiesをどう授業に取り入れているか

    飯野: 実際にHumanitiesの概念をどうやって各授業に取り入れ、学生たちはその恩恵をどう受けていくのでしょうか。

     

    モンターニョ教授: MBAや経営学修士の課程では、論理的思考という必修科目があります。これはとても良くて、MBAで10授業、MIMでは12授業分あり、哲学者、歴史学者、人類学者が教えています。この講座で学ぶことは教授によってテーマが違いますが、Humanitiesの視点を身に付けることは共通しています。

     

    IEはHumanitiesの授業でビジネスやリーダーシップについて学ぶことを必修にしました。入学後すぐのプログラムの中にも1つ授業がありますが、主要な内容は二学期のHumanitiesの必修科目「Critical Thinking for Management」で学べます。

     

    飯野: 私はMBA学生時代、先生の「Keys of Contemporary Culture」という哲学の授業を受けましたが、人間とは何か、意思を持つ他の動物、或いは機械やロボットとどう違うのかなど、様々なことを考える機会になりました。コーポレートファイナンスの授業は10年経って多くの式を忘れてしまいましたが、哲学は今でも心に残っている授業の1つです。思考の基準となるものを得たような気がしています。

     

    IEのコアバリューにHumanitiesはなくてはならないものですね。授業の他にも、IEでは様々な学内イベントや講義を通じてHumanitiesに触れる機会があります。オンラインでも今後もっと触れていこうと思います。先生、お時間ありがとうございました。

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