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東京からベルリンへ、大企業からスタートアップ界隈へ | IE University Japanese Alumni Chapter
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東京からベルリンへ、大企業からスタートアップ界隈へ

Mar 02 2020

東京からベルリンへ、大企業からスタートアップ界隈へ

 

世界中から起業家が集まり、今やスタートアップの新たな聖地と呼ばれるベルリン。そんなベルリンでInteracthubを立ち上げた矢野さんが日本に一時帰国した際にお話を伺うことが出来ました。

 

矢野 圭一郎さん
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    IE、そしてベルリンへ

    ――これまでのキャリアについて教えてください。

     

    新卒で就職活動した時は苦戦して、最初は小さい会社を転々としていました。2007年にセールスフォースに入社して、会社が伸びると自分の市場評価も上がる、伸びる会社で働く面白さを経験しました。その後、Googleに入社してクラウドコンピューティングの面白い時期を経験しました。

     
    ――Google勤務中にIEのGMBAを取られたんですね。


    はい。当時の上司がスタンフォードMBA卒で、MBAに興味を持ちました。当初はGlobal Online MBA(GMBA)に似たアメリカの某大学を調べていたんですが、上海やロンドンに渡航する機会が多いのと、学費がすごく高いのが難点で、他の選択肢を調べる中でIEのGMBAを見つけました。IEは評価が高く、当初検討したアメリカの大学よりランキングが上で、期間も短く集中プログラムなのが良いなと思い、2013年秋に受験しました。

     

    ――矢野さんのクラスメートはどんな方たちでしたか?


    自分で起業したり、いろんな国で事業をしたり、パスポートを何枚も持っていたり、当時の僕にはハードルが高く思えたことを気軽にこなしている人たちという印象を受けました。Googleで働いていると成功している方だと思っていたんですが、全然そうじゃないと分かりました。

     

    有名企業で働いてる人でも、GMBA生は圧倒的に自由に働いている人たちが多いんです。彼らに影響を受けて、自分の方向性が変わりました。会社の中で出世したり、評価されたり、経験値を上げたりしたくてセールスフォースやGoogleで働いていましたが、IEで刺激を受け、Googleを辞めて、ベルリンに渡って、起業しました。今ベルリンに来て3年になります。

     

     

    ドイツのスタートアップのトレンド

    ――今の仕事とドイツのスタートアップのトレンドについて教えてください。

     

    今はベルリンで、分散型時代の企業と起業家のコラボレーションのためのプラットフォームの開発をしています。

     

    今後、起業家の形が変わると思っているんです。「マイクロ・アントレプレナー」と僕は呼んでいますが、大きな投資を受けるスタイルから、起業家が少ない自己資金で面白いことをして結果を出していくスタイルが増えると見ています。ベルリンではそういう起業が非常に多いんです。


    ――事業領域はどういうのが多いですか?

     

    ヨーロッパでは、芸術領域で起業する人が多いです。同時にブロックチェーンとか仮想通貨領域で、直接利益を追求するのではなく、正しいことを無償ですれば将来的に利益が回ってくるという考え方をビジネスで実現するための仕組み作りが始まっています。

     

    こういう考え方が広まった理由の一つに、ブロックチェーンを含む分散化システム上で新しい世界観を目指す企業や、GAFAMの次の世界観を目指す人達が世界中からベルリンに集まっていることがあります。

     

    ――矢野さんの会社は日本の大企業と起業家を結びつける会社ですが、ベルリンには起業家が大企業とコラボするのを助ける仕組みはあるんですか。

     

    ベルリンに限っていうと、元マッキンゼーや、成功した起業家や、メディアの人、ドローンの専門家がチームになって、大企業とマイクロ・アントレプレナーをコラボさせるフリーランス集団がいます。大企業の新規事業開拓チームと、外のいろんなスペシャリストが混ざって事業創造して成功するパターンが増えてきていますね。 

     

    ――日本でもそのパターンでの成功の可能性ありますか?

     

    ドイツは産業構造が製造業中心で日本と結構似てるところがあります。日本でも社内起業家が増えてきているんで、今後活性化していくと思います。ベルリンでは成功していますね。


    日本との違いは大企業と起業家、あるいは小企業が、いい塩梅に利用し合って立場がフラットなところ。資金面で大手が有利でも、小さい側が強気というか。日本は大企業が地主的で小企業が小作人的な立ち位置がある気がしますが、最近は日本もどんどん変化してますので、これから楽しみですね。

     

     

    新しい働き方を作りたい

    今後は新しい働き方、新しい起業の仕方を作っていきたいです。自動化が進み、労働がAIに代替される傾向がありますよね。労働の割合が小さくなって価値創造の仕事の割合が増えると、会社を小さくして動かしやすくできます。Googleでも事業会社を子会社化して分散しているんですが、日本の大企業もあんな風に規模を縮小していくのかなと。

     

    孫泰蔵さんの記事にもありましたが、コワーキングスペースを無くして、全部リモートでやろうという動きがあって、働く場所がどんどん自由になっていくと思います。ベルリン中心に仕事をしていても、仕事で関わる人は世界中にいます。IE卒ブラジル在住の中山さんとミーティングすると、今アイスランドにいますとか、カンボジアにいますとか、いろんなところ行ってるんです。

     

    今いるベルリンのコワーキングスペースも、リモート会議室の方が充実しています。起業家が法人を作りやすい国に作って、ロケーションフリーで働くスタイルが、今後増えていくと思います。

     

     

    起業するのに必要なこと

    起業って、わらしべ長者みたいだと思うんです。小さい種を、実績を出しながら少しずつ大きなものに変えていく作業に近い。だから一個一個の小さなチャンスをものにすることで、ステップアップできる。小さなことをおろそかにしないのがすごく大事です。あと自分独自の基準を持つこと。一般常識の範囲でしかものが見れないと、怖くて動けなくなってしまいますからね。

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