日本の農業と世界を繋ぐ起業 | IE University Japanese Alumni Club
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日本の農業と世界を繋ぐ起業

7月 03 2024

日本の農業と世界を繋ぐ起業

 

2023年International MBA卒業後、地元静岡にてお茶の生産販売会社「株式会社ChaChaCha」設立した石井さんにお話を伺いました。

石井 宏和さん
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    MBA前はどんなキャリアでしたか?

    新卒以来、大手メーカーに勤めていました。日本国内7年、海外拠点6年、計8拠点を経験しました。海外ではタイ、中国で現地メンバーのマネジメントを行いながら、新規拠点の立上げや海外販売戦略策定、新規事業の立上げと実行を行いました。

     

     

    数あるMBAからIEを選んだ理由

    • アントレプレナーとして、具体的な立上げプロセスを学べるから
    • 多様性があり、卒業後も世界中の仲間と相談し合えるネットワークが築けるから
    • 1年制プログラムで、キャリアに時間を空けなくて済むから

     

     

    IEに入学してみて

    同級生は世界43か国から集まっていて、今までこんなにも日々違った文化や地域性を知れる機会はなく、日々学びや刺激に溢れていました。また、同級生のバックグランドや目指す方向性もそれぞれで、新しくチャレンジすることや人と違うことに、皆とても前向きで応援し合う雰囲気がありました。MBA受験時に、2年制の米国MBAと迷いましたが、結果的に1年制のIEでも充実した時間を過ごせました。

     

    IEは起業家を目指す方には特にこの上ない学びのチャンスに溢れています。著名なStartup Labだけでなく、毎週木曜日には地下のAREA31というスペースで、学内外のスタートアップが投資家の前でピッチを行うネットワークイベントが行われます。メンバーが投資家に熱くプレゼンする姿に心を動かされ、いつか自分もと思えるロールモデルになる方々に出会えます。

     

     

    印象に残っている授業と同級生

    特に印象に残っている授業は、エレクティブのChristina教授の「Family in Business」です。IEはファミリービジネスに従事するメンバーも多く、自社の状況や自分の立場をクラスメイトに説明し、その課題に対して解決策とロードマップをあらゆる角度からチームで議論します。歴史の長い家業もあれば、まだ新しい家業もあり、課題も様々です。ビジネス課題から事業承継のタイミング、経営者であり父親に対する悩み等、生々しい話を自分の立場に置き換えて一緒に考えます。机上の空論ではなく、実際に起こっている課題に対し、当事者である同級生と真剣に考える機会は、スキル向上や知識を増やすだけでなく、友人としての距離をぐっと近づけることができました。

     

     

    もう1つ思い出深いのは、グローバルネットワークウィーク(GNW)を通してアメリカ「Yale School of Management」で過ごした時間です。IEの1月入学者は、10月のエレクティブ期間中に、GNWを利用して提携校に留学できます。世界20校以上の選択肢から希望の学校を選んで応募しました。私はアメリカのMBAを体感したい思いがあり、歴史あるYale大学キャンパスでBehavioral Science of Managementを学びました。GNW期間中は、世界中から集まるMBA生と共にYaleの教授から学びを得られました。MBA終盤のタイミングだったので、自身の実力を試す武者修行のような機会になりました。

     

     

    クラス外だと、仲良いメキシコ人のクラスメイトとIE GOLF CHAMPIONSHIPに出場して優勝したのも良い思い出です。セゴビアにある美しいゴルフコースを回り、ドライバー300ヤードを飛ばす同級生とアプローチ・パターの得意な私でチームを組み、MBAを含めた全マスターから来る参加者の頂点に立てた時のビールは最高でした。

     

     

     

    マドリードでの暮らし

    マドリードの生活は快適でした。治安は良く、食事も美味しく、行きたいお店が尽きません。スーパーでビールは当時1缶50円から、ワインはボトルで400円から買えることに衝撃を受けました。また、学校周辺から空港まで車で15分程と旅行時のアクセスは抜群です。レストランのほとんどが英語メニューもあり、スペイン語が話せなくても不自由を感じる事はありませんでした。スペイン語圏の同級生も多いため、スペイン語を学ぶことでより充実した時間が過ごせると思います。夏はバレンシアやマラガなどのビーチ、冬はアンドラへのスキー旅行など、季節ごと過ごし方を楽しめるのも魅力です。

     

     

    現在の事業にIEが役立ったこと

    卒業後、お茶の生産販売会社「株式会社ChaChaCha」を立ち上げました。現在はコンサルティングファームに勤務しながら、ChaChaChaの事業推進をしています。コンサルティング業務では、これまでの経験を活かしつつ、クライアントの海外進出や事業開発等を支援しており、今後の自身の事業にもプラスに働くと考えています。

     

    IE在学中に経験した「Startup Lab」「Venture Day」は、起業をするモチベーションに大きく繋がりました。「Startup Lab」では、インド人、フランス人の仲間とWorkcationビジネスのスタートアップ立上げを行いました。バックグランドや考えの違う仲間と日々激論しながらビジネスモデルやマーケティングの機会を見出すのは簡単ではありませんでしたが、自分自身では浮かばない発想やリソースを知る事ができ、発見の多い日々でした。毎週投資家の前でピッチを行い、アドバイスを頂く事でゼロベースのアイディアがカタチなっていくことを実感しました。

     

     

    「Venture Day」では、起業のきっかけとなる抹茶ビジネスを、スペインでBtoB展開するアイディアをもとに進めました。IEのアントレ授業の象徴でもあるParis教授の「Knowledge Incubator」授業とメンターで起業家でもあるNicolas氏からアドバイスを頂き、「Venture Day」までピッチ資料を作りこみました。学内でPOPUPショップを立上げ、抹茶ラテを販売することで需要を把握する事やプロダクトの明確化し、ローカルCaféにinterviewを行う事で市場価値・課題の把握を図りました。海外におけるお茶の需要を理解するだけでなく、スペインで事業を立ち上げる際に、どんな問題があり、事業としてどこに付加価値があり、実現化する上で何が課題なのか、日々バリデーションを行いました。在学中2回スタートアップを経験し、アイディアだけでなくメンバー選定や解像度の大切さを学び、メンターとの壁打ちから不足点を把握して具現化していった経験は卒業後の起業にもとても役立ちました。

     

     

     

    現在の事業を始めるきっかけ

    現在日本の農業はお茶に限らず、農業従事者の高齢化と後継者不足が大きな問題です。一方、海外では抹茶を中心にお茶の需要は年々増加しておりますが、小規模農家はその需要を取り込み方が分からず、生産と流通がダイレクトに繋がっていません。私は同じ生産者の立場から、高齢化や後継者不足で悩んでいる方々から丁寧に農地を引き継ぎ、一緒に海外需要のある商品で農業をリスタートさせ、海外顧客へダイレクトに繋ぐ仕組み作りに挑戦しています。日本の農業を世界と繋ぐことで、新しい世代が挑戦したくなるような日本の農業の未来を描いていきたいと考えています。

     

     

     

    どんな後輩にIEを選んで欲しいか

    起業を志す方、アントレ界隈で活躍していきたい方は是非選んでいただきたいです。スタートアップをゼロベースのアイディアから立ち上げるプロセスを学べますし、メンバー探しやメンターとの壁打ちは自身のアイディアをブラッシュアップする作業を実践的に身に付けられます。また、既に起業した、もしくは同じように起業したいという同級生が多くいるので、アイディアがあるけれど立上げ方が分からない、アイディアは無いけれど起業をしてみたい方もおススメです。同級生とアイディアを出し合ったり、自分の中にあるアイディアをメンターと具体化していく事が出来ます。IEで未来に向けた新しい一歩を踏み出してはいかがでしょうか。

     

    また、MBA後のキャリアは明確でないけれど、MBAを経て自分の挑戦したいことを見つけたいという方も大歓迎です。IEはどんなキャリアビジョンを持っていても、まだ持っていなくても幅広いチャンスを用意してくれています。例えば、コンサルティングファームを希望する学生向けに、毎週ケース面接の練習機会がありますし、MBBを始めとした主要ファームが学校に来て説明会やケース練習会を開催してくれます。自身のスキルアップだけでなく、エントリー時に提出するカバーレターに書く良いエッセンスになります。社会人を経てからMBAという学生の時間を利用して、自分のキャリアビジョンを見直したい時、何をやっても前向きに応援してくれる学校のスタッフ、多様性に富んだ友人達がいるIEは素晴らしい環境だと思います。夏のテラスで美味しいタパスとワインを楽しみながら、同級生と熱く語り合う日々があなたを待っています。 

     

    Welcome to IE, Gracias!!

     

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