アジアを知るシンガポールでの一週間
目次
2017年9月入学、International MBAプログラムの堀川です。5月28日から6月1日まで、シンガポールへSMU IE Exchange Programに参加したので、体験記を寄稿します。
Short Exchangeとは
9月入学生は4月中旬から7月上旬までがElective Periodですが、このうち5月末に1週間のShort Exchangeをすることができます。参加せずマドリードで集中講義を受けることも可能です。今年は3つの選択肢があり、他大学への留学としてSingapore Management University(以下SMU)。Social Innovation TrekとしてNY、Rio de Janeiroが設定されました。SMUからIEへのShort Exchangeは10月に行われるようです。
参加理由
IEではアジアや日本のビジネスケースを扱うことが殆どなかったのですが、日本人として今後は何らかの形で日本を含むアジア企業の経営に関わることになるだろうと感じ、アジアビジネスに特化した当該プログラムは知識の補完に丁度いいと考えたためです。他のビジネススクールの教え方への興味もありました。
IEからは総勢45人程参加しており、インド人やインドネシア人は具体的にシンガポールでの就職を考えて、人脈作りや企業訪問を兼ねての参加でしたが、欧州や中南米の生徒の多くはシンガポール初上陸で、未知のアジアについて学ぶ良い機会と考えて参加したようです。
Short Exchange概要
90分×4コマ×5日間で以下の講義やワークショップを受けました。短期集中の講義なので、それぞれの科目について事前に相当量の課題が配布され、授業開始までに読み込んでおくことが求められます。扱ったケースは、インド、中国、シンガポール、日本、東南アジアの企業で、規模もローカルのスタートアップから外資系大企業の現地法人までうまく網羅されていました。
企業訪問はテマセクの子会社であるAscendas Sinbridgeのオフィスを訪問し、同社幹部からインキュベーター機能および実績について説明と質疑応答がありました。また、授業以外にも、任意の観光ツアーや交流イベントが設けられました。
- Marketing and Innovation in Asia
- Digitisation Challenges in Asia
- Leadership and Culture in Asia
- Doing Business in China
- M&A in Asia
- Company Visit: Ascendas Sinbridge
Short Exchangeの感想
授業について
アジア市場の将来性・規制・顧客特性等について、マーケティング、リーダーシップ、デジタル戦略、ファイナンスの観点から講義があり、期待通りの内容でし。SMUの日本人学生の話でも、優秀な教授が集中的に抜擢されていたようです。特に、授業の中で楽天の英語公用語化のケースを扱った際は、シンガポール人ならではの分析もあり、闇雲にグローバル化を標榜する日本企業の方針について考える良い契機となりました。授業外でも、Ascendasへの訪問で、シンガポール政府のアジアにおけるスタートアップ育成戦略について直接情報交換できたのは、大きな収穫でした。
他方、そもそも短い期間で、アジアの訪問自体が初めての外国人学生に対して基礎的な情報提供から始まったため、学びの深さとしては正直物足りない部分もありました。
施設について
SMUは建物が集中していて、地下鉄とフードコートに直結していて過ごしやすそうでした。他方、グループルームは建物の内部に小さな会議室(覗き込まないと中が見えないようになっている)のような形で設置されているのを見て、SMUの方が集中しやすい一方、IEは部屋がガラス張にすることで通りがかかった学友とのコミュニケーションが生まれやすくなっていることに気付きました。
短期間ではあるものの、IEと違う環境でアジアに特化した授業を受けることのできる貴重な機会なので、在校生や入学予定の方は是非検討されてはいかがでしょうか。さらに詳細な情報をご希望の方は、SNSやIE Japan Office経由で小職までご連絡下さい。