IE MBAの目玉 Venture Dayで表彰
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2020年1月入学、International MBAプログラムのHさんが、12月5日に開催されたVenture Day(IE修士生の起業コンテスト)で、日本人としては過去最高位となる3位に入賞しました!ご本人のブログからVenture Dayで表彰されるまでの経緯を転載させていただきます。
※Venture Dayの記事の他にも、コロナ禍の留学を考えていらっしゃる方の参考になる記事が満載のHさんのブログも是非ご覧になってください。
日本人過去最高位の3位入賞
IEはEntrepreneurshipに強いと言われていますが(Bloombergの起業に強いMBAでスタンフォード大学に次いで世界2位)、一つの目玉として学生が練った起業アイデアを投資家にプレゼンするVenture Dayがあります。これはIE International MBAの集大成という位置づけでもあり、今年は総勢43チームの中から予選を通過した11チームがVenture Dayでプレゼンしました。
私のチームは予選を見事通過し、Venture Dayでも第3位入賞という素晴らしい名誉にあずかりました!日本人としては過去最高位のようです。
ボランティアのプラットホームを作る
Venture Dayに向けて起業アイデアを練るVenture Labという科目があり、Elective期間の30単位に相当します。期間中、毎週スタートアップ専門の教授と進捗状況を確認したり、実際に起業されているメンターとのセッションで意見をもらったり、スタートアップに欠かせないStory Telling、Team Building、Marketingなどのセミナーにも参加します。このプロジェクトは正解も終わりもないので、どこまでやるかは自分たち次第で、意志が強くないとやり切れない、というのが私の感想です。
私は、Term 2のEntrepreneurial Venturingという授業で扱ったボランティアのプラットホームを作るアイデアをVenture Labで更に練ることにしました。このアイデアを選んだ理由は、自分のバックグラウンドと違って新鮮だったことと、発起人のロシア人がこのアイデアで起業したいという情熱を持ってはいるものの、あまりに破天荒だったため、もっと地に足着いたビジネスアイデアにする自分の役回りがあるだろうと感じたからです。結局、そのロシア人とインド人2人と私の4名でプロジェクトを始動しました。
チームメイトの個性を活かしきる
数カ月とは思えない程、様々なドラマがありました。ロシア人はとにかく破天荒で、積極的に動かない奴はチームに不要と言い張るくらい情熱がある一方、インド人の1人は時間感覚がルーズ過ぎて、このロシア人と合わずに大喧嘩。喧嘩別れで会議終了することもあり、どうしたものかと頭を悩ませました。他のメンバーに比べれば何でも平和に現実的に計画立てるタイプの私が、バランサーとして彼らの間に立って何とかチームが機能するように関係を保つことができたので、自分がいなかったら絶対このチームは崩壊していたという自信はあります。クラスメイトからも言われましたが、どのような人とも何とか上手くやるというのが自分の強みかなと認識しました。
ちなみに下記は私がちょっとしたスキマ時間に作ったチームのパーソナリティのポジショニング。メンバーに見せたら当たってると爆笑。
横軸にPlanning(計画力)とImprovising(即興力)、縦軸にIdealistic(理想主義)とRealistic(現実主義)です。私は完全にPlanningとRealisticのポジションにいました。それに比べて時間にルーズなインド人はとにかく即興力がすごい。だから時間にルーズでも生きていけるんだと思います。遅刻してもすぐ場を理解して何か発言したり、質疑応答でそれらしいこと言ったり、スクリプトがなくても本当に素敵なプレゼンをするので(私は日本語でもできない)、その能力には目を見張ります。
そしてリーダーのロシア人はとにかく理想を追い求め、私からすると「そんなのどうやってするの?」ということでも、なりふり構わず当たって砕けろの精神でガンガン突っ込んでいきます。色んなことが無茶苦茶ではありましたが、ポランティアを受け入れる組織を探すのも、彼女は1か月以内に数百以上の団体とコンタクトをとって70以上の組織からボランティア機会を提供してもらうことに成功しています。プレゼンは凄く緊張するタイプですが、誰より情熱的なのが一目でわかる発信力の強さがありました。
私はそんな中、みんなが漠然と進めてきたアイデアや成果物をより体系的に整理して、何が上手くいっているかを分析し、チームのするべきことの優先順位を可視化したり、プロトタイプやWebsiteを作ったりとデザインも担当しました。また販売見通しとその利益計画などにも一番精通していたので、ファイナンスも担当しました。
実際にこのプロジェクトのMVP(Minimal Viable Product)はFacebookでスタートしましたが、実際にボランティアしたいという需要は大きく、立ち上げた瞬間、Facebook上で色んな国からメッセージをもらうことになりました。初めは自分たちのサービスの質がどうであれ、とりあえず潜在顧客とコミュニケーションして何とかマッチングさせていくことが重要で、毎日知らない人にコンタクトするというスタートアップらしい営業もしました。
Facebookで作った公式アカウントは、あまりに急に友達を増やしたり、知らない人に大量にメッセージを送り続けたりしたので、Facebookに不審なアカウントと勘違いされブロックされるなどの問題にも直面しました。全てスムーズにいったわけではないですが、一連の流れはスタートアップがよく経験することなのかなと、「今思えば」大変貴重な経験だったと思います。
Venture Dayを終えて
そうこうしている内にVenture Dayの予選があり、それをめでたく通過し、2020年12月5日にVenture Day当日を迎えました。コロナの影響で結局オンライン開催となりましたが、学校のWOW ROOMというシステムを使っての開催で、Youtubeにライブ発信されたので世界中で見られることになりました。私は当日プレゼンではなく質疑応答のファイナンスを担当しており、想定Q&Aを準備して非常にドキドキしてましたが、そのような質問もなくあっさり終了。全てのチームのプレゼンが終わり、結果発表で3位でチームが呼ばれた時は本当に嬉しかったです。
またこのプロジェクトはVenture Dayとは別ににもBusiness Planを書く課題があり、2人で45ページものレポートを書いたり、Venture Day以外でのプレゼンもあったりと(これは私も担当)負担が大きかったので、全てが終わった時にはやり切った感がありました。私は日本に帰るのでこのプロジェクトを継続はしませんが、一部のメンバーが卒業後も続けていきます。あれだけ頭を悩ませて早く終わって欲しいとも思っていたプロジェクトですが、終わると少し寂しさも覚えました。3位入賞した時には色々な方からおめでとうというメッセージを頂き、このプロジェクトをやって良かったと実感しました。
私にとっては非常に思い出に残るVenture Projectとなりましたが、Venture Dayの当日の様子はYoutubeにアップロードされていますので、興味のある方は下記リンクを貼っておきますので是非ご覧になってください。全て英語ですが、私のプロジェクト以外にも様々な素晴らしい起業アイデアがあり、半分お祭り騒ぎみたいなこのVenture Dayの雰囲気もとても印象深かったです。